ミリタリー関係者や防衛ウォッチャーの間で「滝ヶ原」の名が特別な響きを持つ最大の理由は、ここに駐屯する部隊の専門性の高さにあります。陸上自衛隊 滝ヶ原駐屯地 評価支援隊をはじめとする部隊訓練評価隊、そして富士学校の教育支援を担う普通科教導連隊 滝ヶ原など、陸上戦闘の基準を創り出し、全国の部隊を鍛え上げる組織が集中しているためです。
部隊訓練評価隊は、全国各地から東富士演習場に集結する師団や連隊に対して、レーザー交戦装置(バトラー)を駆使した実戦的訓練を実施する組織です。中でも評価支援隊は、対戦相手となる敵部隊役を専門に演じる「アグレッサー(仮想敵)部隊」として機能し、地形を熟知した神出鬼没の戦術で全国の精鋭を翻弄し続けています。防衛省関係者の証言によると、「評価支援隊に完勝できる連隊は皆無に等しい」と評されるほど、その戦闘技術と錬度は際立っています。
実戦さながらの緊張感と、次世代の防衛戦術を検証・研究するシンクタンク的機能が同居している点こそ、滝ヶ原駐屯地が国防の最前線として注目され続ける決定的な要因です。