「いらっしゃいますでしょうか」は失礼?正しい敬語と現場の本音

「いらっしゃいますでしょうか」は失礼?正しい敬語と現場の本音

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一般の日本語話者は、この表現をどう受け止めているのか。NHK放送文化研究所が長年にわたり実施している「ことばの揺れ」に関する世論調査の軌跡をたどると、興味深い傾向が浮かび上がる。かつては違和感を持たれていた丁寧すぎる言い回しが、世代交代とともに徐々に許容されていくプロセスだ。

特に若い世代を中心に、直接的な表現を避けて曖昧さを残すコミュニケーションを好む層が厚くなっている。「相手がいるかどうか分からない」という不確定要素を強調するために「でしょうか」を添える心理は、配慮の現れとして肯定的に捉えられがちだ。

一方で、伝統的な言葉遣いを重んじる世代やベテラン層からは、「曖昧でまどろっこしい」「自信のなさの表れ」と批判的に受け止められるケースも根強く残る。NHK放送文化研究所のデータが示唆するのは、言語規範の崩壊ではなく、世代間における敬意表現の「快・不快の境界線」のズレである。

中川 明日香
著者

中川 明日香

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。