ドラマ『大恋愛〜僕を忘れる君と』が伝説的な支持を得た最大の理由は、ふたりの演技が持つリアリティでした。とくに話題をさらったのが、砂浜でのキスシーンやアパートでの日常的な触れ合いにおけるキスシーン裏話です。
当時の制作発表や雑誌インタビューにおいて、ムロツヨシは「恋愛ドラマの主役を演じることへの重圧と照れ」を率直に明かしていました。これまでコメディや個性的なバイプレイヤーとしての立ち位置が長かったムロにとって、本格的なラブストーリーは新境地でした。そんな彼をリードしたのが、圧倒的なキャリアと肝の据わった演技力を持つ戸田恵梨香でした。
現場スタッフの証言によれば、戸田は緊張するムロに対して「ムロさん、もっと堂々と来ていいですよ」と笑って声をかけ、自ら壁を取り払ったと伝えられています。台本にないアドリブのハグや自然なスキンシップがそのまま本編に採用されたケースも少なくありません。計算された芝居ではなく、相手の出方に即座に反応し合うライブ感が、視聴者に「このふたりはお似合いだ」と確信させる最大の要因となったのです。