ワールドカップ2023の欠場理由について、表向きは契約とフィジカル維持が語られていましたが、水面下には日本代表の指導体制およびJBAの運営姿勢に対する根深い疑念が存在していました。それが公の白日の下に晒されたのが、2024年11月、レイカーズの試合後に行われた八村選手の異例の記者会見です。
八村選手はメディアの前で、澱みのない口調でこう言い放ちました。
「日本代表のやり方について、僕としてはずっとフラストレーションを抱えていた。JBAはお金目的、商業主義に走っているように見える。代表のコーチ陣に関しても、男子のトップレベルで指導した実績のあるプロフェッショナルなコーチを呼ぶべきだと話してきた」
この発言は、女子日本代表を東京五輪銀メダルへ導き、男子代表HCに就任したトム・ホーバス監督の指導スタイルや選手選考に対する直接的な疑問符でした。ホーバスHCが重んじる「規律・献身・5アウトからのスリーポイント主体の戦術」と、個のアイソレーションやミドルレンジからの打開力、NBA基準のスペーシングを熟知する八村選手のバスケットボール哲学には、埋めがたい乖離が存在していたのです。
さらに八村選手は、代表合宿や強化試合における選手のコンディション管理よりも、過剰な露出や商業イベントを優先していると映る協会の姿勢にも強い不満を抱いていました。「僕らは国のために体を張って戦っている。協会がお金儲けのために選手を利用するような体制は変えるべきだ」というメッセージは、単なるわがままではなく、世界最高峰の環境を知る選手だからこその痛烈な組織改革の要求でした。