常連客たちが席に着くやいなや確認するのが、黒板にひっそりと書かれた「本日の数量限定串」だ。今回、厨房の協力を得てその仕込みの裏側を取材することができた。
この日の限定串は、旬の極太ホワイトアスパラに特選イベリコ豚を巻き、すりおろしたカラスミを贅沢にあしらった逸品。さらに、甘辛く煮詰めた季節の果実を忍ばせた創作巻きなど、他店ではお目にかかれない実験的かつ完成度の高いメニューが並ぶ。仕込みに膨大な手間と時間がかかるため、1日に提供できるのはわずか十数本のみ。オープン直後の早い時間帯に訪れた者だけが巡り合える、まさに知る人ぞ知る至極の味覚だ。