リモートワークやハイブリッドワークが日常化したビジネス環境において、部下の育成はより繊細さを増しています。テキストコミュニケーションや限られた面談の中で成果を出すリーダーは、どのような部下指導 叱り方のコツを実践しているのでしょうか。
一流のマネージャーが徹底しているのは、相手を傷つけない注意の仕方を体系化した「フィードバックの型」です。その代表格が「SBIモデル(Situation:状況、Behavior:行動、Impact:影響)」と呼ばれるフレームワークです。
例えば、会議資料の提出が遅れた部下に対して「やる気があるのか!」と感情をぶつけるのは論外ですが、「もっと早く出して」と曖昧に伝えるだけでも改善は見込めません。SBIモデルでは以下のように伝えます。
「昨日の15時に提出予定だった営業資料(Situation)が、連絡のないまま今朝の提出になっていたね(Behavior)。その結果、課長が取引先との事前すり合わせを十分に行えず、提案の精度に影響が出たんだ(Impact)。何か想定外のトラブルがあったかな?」
このように事実と影響のみを淡々と提示し、最後に相手の言い分を聞くオープンクエスチョンを投げかけることで、人格を傷つけることなく「行動の修正」へと導くことができます。これはビジネス指導 コーチングの手法としても極めて有効です。
さらに意識したいのが褒めると叱るの黄金比率です。組織行動学の研究(ロサダ比率)において、ハイパフォーマンスを出し続けるチームでは肯定的な声かけ(称賛・承認・感謝)と否定的な指摘(改善要求・苦言)の比率が「おおむね3:1から5:1」であることが判明しています。普段から日々の小さな貢献を承認しているからこそ、たまに行う「叱る(是正のフィードバック)」が相手の心に深く刺さるのです。