実際の事件が起きた時の動きを比較すると、両者の役割分担がより明確になる。東京都内で強盗事件が発生した場合、現場に臨場し、鑑識を行い、容疑者を逮捕するのは警視庁捜査一課の捜査員だ。警視庁は自前の捜査網と大規模な機動隊を擁し、自力で事件を解決する圧倒的な現場捜査能力を持つ。
これに対し、警察庁は自ら逮捕状をとって容疑者を直接逮捕することは原則としてない。警察庁の役割は、複数都道府県にまたがる広域事件の捜査調整、全国統一の捜査指針の策定、大型予算の配分、国際捜査機関(ICPO)との連携などだ。「現場で汗を流す警視庁」と「司令塔として舵を切る警察庁」という分業体制が成り立っている。