音楽家として長年にわたりシーンを牽引してきた小林武史氏。彼が持続可能な未来へのアプローチとして始動させた取り組みは、時を経て確固たる形をとった。KURKKU FIELDSの根幹にあるのは、目に見える資源から見えないエネルギーまでを滞りなく巡らせる思想だ。
敷地内を歩くと、微生物の力を活用して排水をろ過するバイオジオフィルターや、家畜の排泄物を自家堆肥へと変えるコンポストの仕組みが自然な形で組み込まれている。ここでは廃棄物という概念そのものが存在しない。土が肥え、作物が実り、それが人間や動物の命を養い、再び土へと還元される。小林氏が目指したのは、言葉による啓蒙ではなく、誰もが体験として直感できる「命のループ」なのだ。