炭治郎のビジュアルを決定づけているのが、緑と黒のチェッカー柄があしらわれた特徴的な羽織です。この炭治郎の羽織に見られる市松模様は、古くは古墳時代の埴輪にも見られ、江戸時代中期の歌舞伎役者・初代佐野川市松が舞台衣装に用いたことで大流行した日本の伝統文様にあたります。
市松模様は柄が上下左右にどこまでも途切れず続くことから、「繁栄」「子孫繁栄」「事業拡大」など途絶えることのない永続性を象徴する縁起の良い柄とされてきました。過酷な運命に立ち向かい、どれほど傷ついても決して諦めずに前進し続ける炭治郎の生き様そのものが、この文様の持つ「途切れない連続性」と見事に呼応しています。
また、日本古来の和装美と、黒を基調とした詰め襟の洋装軍服風スタイル(鬼殺隊の隊服)が融合した大正モダンなシルエットも、幅広い層に支持される要因です。視認性の高い補色に近いカラーリングは、群衆の中でも一目で炭治郎と認識できる強烈なアイコン性を生み出しています。