さざえ堂の持つ不思議な立体美と大衆的な賑わいは、江戸時代のクリエイターたちの創作意欲をも強く刺激した。巨匠・葛飾北斎は『富嶽三十六景』の一作「深川万年橋下」や『北斎漫画』において、当時江戸で大ブームを巻き起こしていた深川のさざえ堂と、そこから富士山を望む人々を活き活きと描いている。
現代に目を向ければ、NHKをはじめとする大手メディアの歴史・建築番組でたびたび特集が組まれ、木造二重螺旋の謎や工匠たちの高い技術力にスポットが当てられてきた。緻密なデジタル解析やドローン映像によって明かされる立体構造の美しさは、放送のたびに大きな反響を呼んでいる。
また、文化遺産オンラインなどのデジタルアーカイブを通じて世界中に写真や解説が配信されるようになり、海外の建築家やツーリストからの関心も急上昇中だ。江戸の絵師が切り取った木造建築の熱気は、数百年の時を超えていまなおグローバルなメディア空間で輝きを放ち続けている。