渡辺えりには実子(実の子供)がいない。結婚生活を送る中でも、彼女が自らの手で出産の道を選ぶことはなかった。これには、彼女が若き日から注ぎ込んできた演劇への凄まじい執念とキャリアが深く関係している。
山形県で生まれた彼女は、上京後に舞台の魅力に取り憑かれ、寝る間も惜しんで劇作や演出に没頭した。20代から30代という女性にとって出産や育児を意識する時期、彼女の頭の中は自らが立ち上げた舞台の運営と作品づくりで埋め尽くされていた。「作品こそが自分の子供」とも言える過酷な表現の世界で生き抜く中、実子を持つ機会を自然と見送っていったのが真相だ。