長崎市を語る上で避けて通れないのが、無数の階段と急坂が張り巡らされた地理的条件だ。高齢化が進む斜面地住宅街では、魚の町の新庁舎まで出向くこと自体が容易ではない市民も少なくない。
そこで成果を上げているのが、専用車両に通信設備と窓口機能を積み込んだ「移動市役所」の巡回運行だ。各地区の公民館や集会所に定期的に訪れ、各種証明書の発行や健康相談、スマートフォンの操作支援までを行う。施設という「点」だけでなく、アウトリーチ型の「面」で市民を支える姿勢が、急峻な地形を持つ長崎ならではのセーフティネットとなっている。