一方、相手方であった加藤泰平アナの辿った道は、画面への復帰とは異なるものだった。スポーツ中継の実況で高い技術を誇り、五輪取材やサッカー日本代表戦など数々の修羅場をくぐり抜けてきた実力派だったが、騒動後の2017年にはアナウンス室を離れ、スポーツ局や事業関連の部署へと異動した。画面の前で声を届ける仕事からの完全な撤退だった。
メディア業界において、不倫騒動を起こした男性アナウンサーが制作やビジネス部門へと異動するケースは珍しくない。しかし、実況アナとしてのキャリアを絶たれた無念さは想像に難くない。裏方に回った加藤氏は、イベントの企画運用や番組制作のサポートなど、表に出ない形での貢献を重ね、社内での評価を静かに再構築していったとされる。