過剰スペックがダメなら、小さい畳数を選べば安上がりなのかといえば、話はそう単純ではない。特に危険なのが、リビング・ダイニング・キッチン(LDK)が一体となった間取りや、開放感のある吹き抜け構造の住宅だ。
例えば、18畳のLDKに対して「電気代を浮かせたいから」と10畳用のエアコンを設置したとする。エアコンは設定温度に達するまでフルパワーで運転し続ける機械だ。部屋が広すぎていつまでも設定温度に到達しない場合、エアコンは24時間常に「最大出力」で動き続けることになる。
これは車のアクセルを常にベタ踏みしている状態と同じだ。電気代は爆発的に高くなり、エアコンの寿命も著しく縮む。さらに、キッチンでガスコンロを使ったり、大きな窓から直射日光が入ったりする場所では、冷房能力が完全に追いつかなくなる。ケチったつもりが、最も高い買い物をすることになる典型例だ。