筆跡心理学(グラフォロジー)の最新知見によれば、文字の美しさと個人の誠実性や仕事の精度には、直接的な相関関係が認められないというデータが蓄積されつつある。「きれいな字=几帳面で優秀」「崩れた字=粗雑で無責任」という従来の社会的ステレオタイプは、科学的な根拠に乏しい時代遅れの偏見に過ぎない。
むしろ、文字の細部にこだわらず、全体の構造や本質的な概念を素早く記録しようとするタイプは、大局的な視点を持つディープ・シンカーに多い。ディテールへの過剰なこだわりを捨て、最速で思考の骨組みを構築する合理性が、結果として字を崩させているのだ。見た目の美しさと仕事の質の高さは全く別の次元に存在する。