「元旦」と「元日」の違いを一言で説明するならば、指し示す時間の長さと区切りにあります。
まず「元日」は、1月1日という「暦の上での1日(24時間)」そのものを表します。昭和23年(1948年)に公布された「国民の祝日に関する法律(祝日法)」の第2条においても、「年のはじめを祝う」日として元日は国民の祝日に明確に規定されています。つまり、法律上も公的にも1月1日という日付全体が「元日」です。
一方の「元旦」は、1月1日の「朝」あるいは「夜明け」を指す限定的な言葉です。これには旦の漢字の成り立ちが深く関わっています。「旦」という文字を分解すると、上部の「日(太陽)」と、下部の「一(地平線・水平線)」から構成されていることがわかります。まさに水平線から太陽が顔を出そうとしている情景を象形化した文字であり、本来は「夜明け」「早朝」を意味します。この「旦」に、物事の始まりを意味する「元」が付いた言葉であるため、元旦の意味と時間帯は「1月1日の朝・夜明けから午前中にかけて」を意味するのが語源的な本質です。
したがって、「1月1日の夜」に家族で集まって夕食をとっている時間を「元旦の夜」と呼ぶのは、厳密には矛盾を孕んだ表現となります。大晦日と元日の境目である午前0時を越え、東の空から初日の出と元旦の朝を迎えるその特別な数時間こそが、本来の「元旦」が持つ本来の居場所です。