確定拠出年金において、利回りを蝕む最大の「見えないコスト」が信託報酬です。同一の「全世界株式インデックス」や「先進国株式」に連動する商品であっても、ラインナップされている商品によって信託報酬は年0.05%〜0.1%台の超低コストファンドから、年0.5%〜1.0%を超える旧来型のアクティブ・ファンドまで幅広く存在します。
年間わずか0.5%のコスト差であっても、30年間の長期積立・複利運用では百万円単位の純リターン差となって跳ね返ってきます。運営管理機関が提示する商品リストの中から、同一資産クラス内で最も信託報酬が低いファンドを厳選することが運用の鉄則です。
また、確定拠出年金が一般的な特定口座や新NISAと一線を画すのが、運用益非課税メリットと受取時の税制です。運用期間中の売却益や分配金が非課税になるだけでなく、将来の受給時には「退職所得控除」または「公的年金等控除」が適用されます。
ネット上では「将来の税制改正で退職所得控除が縮小されたら大損する」といった極端な言説が散見されますが、現行制度下における掛金全額所得控除の節税効果(所得税・住民税の軽減)と長期複利の非課税成長を総合すれば、依然として資産形成において最も優遇された制度枠組みであることに揺るぎはありません。