2009年9月、公式ブログに投じられた一文が、アニメファンのみならずエンタメ業界全体に激震を走らせた。冴羽獠やケンシロウなど、数々の伝説的ヒーローを演じてきた神谷明が、自ら毛利小五郎役を降板すると表明したのだ。理由は制作サイドとの「信頼関係の破綻」と「契約条件をめぐる不一致」であった。
当時はまだ声優の地位向上や契約の透明化が議論の途上にあり、長年作品を支えてきたベテラン声優であっても、制作側の決定に抗う難しさがあった。突然の発表に世間は騒然となり、掲示板やSNSには「小五郎の声が変わったらコナンは終わる」「神谷さん以外にあのコミカルさと格好良さは出せない」といった悲鳴に近い声が溢れ返った。