これほどの名曲でありながら、サザンオールスターズのツアーの歴史において『旅姿六人衆』は極めて演奏頻度が低い「封印された楽曲」として知られてきました。一体なぜ、桑田佳祐はこの名曲の演奏を頑なに避けてきたのでしょうか。
その最大の理由は、「この曲を歌うと、ファンがバンドの解散を予感して悲痛な空気に包まれてしまうから」というものでした。
旅の終わりや仲間との別れ、再会を誓うような情緒あふれる歌詞構成ゆえに、1980年代中盤以降、ライブでこの曲が演奏されるたびに「サザンオールスターズは活動休止するのではないか」「これが最後のライブになるのではないか」という噂や動揺が客席に広がってしまったのです。ファンを喜ばせるためのライブで不安を与えたくないという桑田佳祐の繊細な配慮とプロ意識から、通常のセットリストからは長らく外され、ファンの間では「幻の聖歌」として扱われるようになりました。