警報音が鳴り響いた際、何よりも先に行うべきは「本当の火災がないか」の確認だ。部屋の隅々や隣室、天井裏を目視し、煙や異臭、熱気がないと確信できて初めて停止作業に移る。焦って機器を破壊してはならない。住居のタイプによって止めるべき装置と手順は明確に分かれている。
戸建て住宅や賃貸アパートの個室内に単独で設置されている「住宅用火災警報器」の場合、本体についている「警報停止ボタン」を押すか、ぶら下がっている引き紐を引くのが基本動作となる。パナソニック株式会社などの主要メーカー製であれば、ボタンを一度押すだけで数分間警報が消音される。それでも鳴り止まない場合や故障音声がループする場合は、本体を反時計回りに回して台座から外し、背面のコネクタ(リチウム電池の配線)を抜くことで完全に沈黙させることができる。
一方、分譲マンションや商業ビル全体にベルが鳴り響いている場合は、共用部分に設置された「自動火災報知設備」が作動している。このケースでは各戸の感知器をいくらいじっても音は止まらない。エントランスや管理室にある大型の制御盤(受信機)へ向かい、「主音響停止」「地区音響停止」のレバーまたはボタンを操作する必要がある。ただし、集合住宅での受信機操作は原則として管理人や消防設備士、あるいは駆けつけた警備会社が行う領域だ。誤作動だと自己判断して勝手に受信機をいじると、万が一の本火災時に避難が遅れるリスクを招くため、まずは管理会社への緊急連絡が鉄則となる。