なぜ水は登る?サイフォンの原理と仕組みの真相を専門記者が徹底解説

なぜ水は登る?サイフォンの原理と仕組みの真相を専門記者が徹底解説

なぜ水は登る?サイフォンの原理と仕組みの真相を専門記者が徹底解説の詳細について、分かりやすい解説を基に徹底解説します。

サイフォン(siphon)の最大の特徴は、「低い位置にある水面から、途中の高い障害物を乗り越えさせて、さらに低い別の容器へと液体を運ぶ」点にあります。動力源となるモーターが存在しないにもかかわらず、なぜ液体は自発的に上昇し、連続して流れ続けるのでしょうか。

この現象を理解する鍵は、「重力」「大気圧」「ホース内の圧力勾配」の3要素にあります。

まず前提として、サイフォンを機能させるにはホース内が完全に液体で満たされている(呼び水が完了している)必要があります。この状態で、液体を吸い上げる側の容器(高い液面)と、液体を排出する側の出口(低い位置)の間に高低差を作ります。

ホース内の最も高い頂上部から見ると、出口側(下り坂)にある液体の柱は、吸い込み側(上り坂)にある液体の柱よりも長くなります。この長さの差により、下り側の水柱にかかる重力の合計が上り側を上回り、下向きに引っ張られる力が勝ることになります。

下り側の水が重力に引かれて落下しようとすると、ホースの頂上部の内部圧力が局所的に低下し、負圧(大気圧より低い状態)が生まれます。すると、上側の容器の水面にかかっている大気圧(約1気圧=約1013hPa)が水を押し込み、ホース内へと液体を押し上げます。この「押し上げ」と「落下」が連鎖することで、まるで途切れない鎖(チェーン)のように液体が連続して流れ続けるのです。

池田 達也
著者

池田 達也

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。