インターネットの検索窓に「秋田内陸線」と入力すると、関連キーワードとして秋田内陸線 廃線 理由や「経営危機」といった不穏な文言が上位に表示されます。全国的なローカル線再編の議論が進むなか、なぜこのような噂が絶えないのか、そして秋田内陸線 経営状況 現在のリアルな実態はどうなっているのでしょうか。
歴史を紐解くと、秋田内陸線は旧国鉄の赤字ローカル線であった「阿仁合線」と「角館線」を引き継ぎ、未開通区間(比立内〜松葉間)を結んで1989年に全線開業した第三セクター鉄道です。開業当初から沿線の著しい人口減少とマイカー普及という構造的逆風に晒され、毎年のように億単位の経常赤字を計上してきました。検索エンジンのサジェストに「廃線理由」と出るのは、過去に秋田県議会や沿線自治体(北秋田市・仙北市)で路線の存廃をめぐる激しい存続議論が何度も交わされた経緯があるためであり、現時点で廃線が決定しているという事実はありません。
現在の経営状況においても、車両の老朽化更新費や豪雪地帯特有の莫大な除雪費用が経営を圧迫している現実は否定できません。しかし、秋田県および沿線自治体は「沿線住民の通学・通院インフラ」としての機能に加え、「県内屈指の観光経済ハブ」としての価値を極めて高く評価しています。近年では台湾をはじめとするアジア圏からのインバウンド誘致が大きく実を結んでいるほか、ふるさと納税を活用した枕木オーナー制度やオリジナルグッズ展開、愛称「スマイルレール」のブランド価値浸透など、赤字縮小に向けた自活努力が積極的に展開されています。