渋川動物公園の名を一躍全国区にした出来事といえば、2017年8月に発生したアルダブラゾウガメ「アブー」(大型のメス)の脱走事件です。当時、園から忽然と姿を消したアブーの捜索に対し、園が「無事に見つけてくれた方に懸賞金50万円」を設定したことでワイドショーやSNSで大きな話題を呼びました。
「なぜ大型のリクガメが逃げ出せたのか」という理由の真相について、当時の現場証言と園の構造から以下の事実が明らかになっています。
- ストレスフリーな放し飼い環境:アブーは開園時間中、園内を自由に散歩するスタイルで飼育されており、人を襲わない温厚な性格から強固な鉄柵に閉じ込められていなかった。
- 驚くべき歩行能力と探索意欲:カメは足が遅いという先入観に反し、ゾウガメは好物の草や日陰を求めて時速1km程度で休まず歩き続けるスタミナを持つ。
- 自然林への同化:最終的にアブーが発見されたのは、園の入口からわずか100メートルほど離れた山中の茂みの中でした。保護色となって鬱蒼とした藪の中に潜んでいたため、大捜索網の目をかいくぐっていた。
無事に救出されたアブーは現在も園の絶対的アイドルとして元気に暮らしています。この騒動以降、園側は放し飼いエリアの境界ゲートにセンサーや重層的な脱走防止柵を増設するなど、動物の自由度を保ちながら安全性を担保する最新の管理体制を確立しました。現地を訪れた際は、のんびりと草を食むアブーの姿を間近で観察し、当時のユーモラスな歴史に思いを馳せることができます。