この店舗の強靭な販売力は、偶然の産物ではない。巨大流通コングロマリットであるベイシアグループの盤石な調達網を背景に、同社が推し進めてきた「しない経営」の思想が隅々まで行き渡っている。専務取締役としてデータ経営と脱・ノルマを掲げた土屋哲雄のロジックと、現場叩き上げとしてオペレーションの精度を極限まで高めてきた代表取締役社長の小濱英之によるリーダーシップ。この両輪が、地方の単独店舗にまで緻密な在庫コントロールをもたらしている。
値引きセールを一切行わず、定番品を長期にわたって売り切るスタイルは、買い物客にとっても「いつ買っても損をしない」という絶対的な信頼を生む。競合チェーンが過度な季節割引に走るなか、ここ簗瀬の棚にはシーズンを通じて適正価格のプライスカードが並び続ける。無駄な販促にコストを割かず、製品原価と機能向上に全力を注ぐ姿勢こそが、消費者を納得させる最大の武器だ。