シバリング(shivering)は、日本語で「身震い」や「ふるえ」と訳され、骨格筋が不随意(自分の意思とは無関係)に急速な収縮と弛緩を繰り返す生理現象を指します。人間を含む恒温動物が深部体温を一定(約37℃前後)に保つために備えている、極めて重要なシバリング 生体防御反応の一つです。
この現象の司令塔となっているのが、脳の間脳にある「視床下部」の体温調節中枢です。体温調節のプロセスは以下のシバリング メカニズムによって進行します。
- 情報感知:皮膚の冷受容器や体幹深部の温度センサーが、設定温度(セットポイント)を下回る温度低下を検知する。
- 指令伝達:視床下部が熱産生の指令を出し、脊髄を経由して全身の骨格筋へ運動神経シグナルを連続的に送る。
- 熱産生(微細運動):筋肉を毎秒数回〜十数回のペースで細かく振動させ、筋収縮時のエネルギー消費に伴って大量の代謝熱を強制発生させる。
極度の冷気にさらされた際の低体温症 震えは、まさにこの熱産生システムが限界まで稼働している状態です。筋肉の震えによって、安静時の数倍に及ぶ熱エネルギーが生み出され、深部体温の致命的な低下を食い止めようと働きます。