金曜ドラマの歴史に新たな傑作として名を刻んだのが、TBSテレビが放映した『石子と羽男ーそんなコトで訴えます?ー』だ。カフェでスマホを充電しただけで訴えられたといった、身近に潜む些細なトラブルを題材にしたユニークな法廷ドラマである。
東大卒の頑固なパラリーガル・石田硝子を演じる有村架純と、一見飄々としていながら繊細なコンプレックスを抱える弁護士・羽根岡佳男を演じる中村倫也。凸凹コンビが繰り広げるテンポ抜群の掛け合いは、脚本家・西田征史の筆致と新井順子プロデューサー・塚原あゆ子監督のタッグによって極上の人間ドラマへと昇華された。社会の不条理にそっと寄り添う視線と、映像美が光る演出。事件解決の爽快感にとどまらない深い余韻が、今なお名作と称えられる所以だ。