生誕碑の前に立つと、整備されたばかりの玉砂利が心地よい音を立てる。園内は歩行者の動線が全面的に見直され、バリアフリー化と景観保全が両立された空間へとアップデートされた。ベンチの配置ひとつとっても、かつて秀吉が眺めたであろう空の広がりを意識した設計になっている。
特に目を引くのは、水辺の景観だ。瓢箪池周辺の遊歩道は木々の枝振りが美しく整えられ、朝夕の光が水面に描く陰影はまるで一幅の絵画。歴史愛好家だけでなく、カメラを構える若い世代が足を止める理由がよくわかる。派手なアトラクションはない。だが、土地が持つ記憶を丁寧に掘り起こしたリニューアルの手法には、訪れる者を深く納得させる説得力がある。