ファンなら誰もが意識せずにはいられないのが、伝説的番組『水曜どうでしょう』のDNAだ。カメラの前に立つタレントと、カメラの後ろから容赦なく声を浴びせるディレクター。あの剥き出しの人間関係と偶発性のドラマは、本作においてどのように昇華されるのか。
関係者の証言によれば、過去の手法をそのまま焼き直す意図は微塵もないという。むしろ、デジタルネイティブ世代が求める「編集されない生の感情」を、より洗練された映像表現へと昇華させる狙いがある。作り手が被写体と対等にぶつかり合い、予測不能なハプニングすらも作品の推進力へと変えていく。かつてテレビ画面から溢れ出たあの生々しい熱量は、形を変えて再びスクリーンやデバイスへと注ぎ込まれようとしている。