愛はあるのに身体を求めない?ノンセクシャルのリアルな本音と絆

愛はあるのに身体を求めない?ノンセクシャルのリアルな本音と絆

愛はあるのに身体を求めない?ノンセクシャルのリアルな本音と絆とは一体何なのか? 主要なファクトを丁寧に紐解いて紹介します。

「性欲がない」と一口に言っても、その内実は驚くほどグラデーションに富んでいる。ノンセクシャルを理解するうえで避けて通れないのが、アセクシャルおよびアロマンティックとの概念的な整理だ。

世界的な当事者コミュニティであるAVEN(Asexual Visibility and Education Network)をはじめとする国際的な定義では、他者に対して性的な惹かれを抱かない包括的な傘(アンブレラ)として「アセクシャル」が用いられる。しかし日本の当事者文脈やセクシュアリティ・ジェンダー論の領域では、独自の繊細な区別が発展してきた。

最大の違いは「恋愛感情(恋心)の対象が他者に向くかどうか」という点にある。

誰に対しても恋愛感情も性的欲求も抱かない人を「アロマンティック・アセクシャル」と呼ぶのに対し、恋愛感情は抱くものの性的魅力を感じない、あるいは性行為を望まない層を日本では「ノンセクシャル」と呼び分けてきた歴史がある。誰かにときめき、胸を締めつけられ、人生の伴侶として一緒に生きたいと願う。その純粋な情動と、肉体的な接触を求めるリビドーは、完全に別の回路で動いているのだ。

中村 さくら
著者

中村 さくら

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。