小五郎の射撃を語る上で絶対に外せないのが、劇場版第2作『名探偵コナン 14番目の標的(ターゲット)』で明かされた過去の事件だ。当時、捜査一課の刑事だった小五郎は、逃走を図る凶悪犯・村上丈に妻である妃英理を人質に取られるという絶体絶命の危機に直面した。
その時、彼が取った行動は、あろうことか「人質である妻の足を打ち抜く」というものだった。一見すると狂気とも取れるこの一弾。しかし、これこそが彼の高度な戦術的判断に基づいた究極の救出策だったのだ。
足に傷を負った人質は犯人にとって単なる「お荷物」となり、連れて逃げることが困難になる。犯人が人質を解放せざるを得ない状況を瞬時に作り出すため、小五郎はミリ単位の狂いも許されない精度で英理の太ももをかすめるように撃ち抜いた。愛する妻に弾を向ける恐怖を押し殺し、完璧なコントロールで引き金を引いたこの判断力は、彼の射撃が単なる技術ではなく、極限状態での冷静な思考力に裏打ちされていることを物語っている。