結論から言えば、外見から判断できる臀部の大きさや横幅は、安全な経膣分娩を保証する決定打にはならない。日本産科婦人科学会をはじめとする専門機関の見解において、分娩の難易度を左右するのは外見のボリュームではなく、胎児の頭部が通過する骨盤内腔の形状と寸法である。
専門的な産科学の領域では、骨盤(Pelvis)を「大骨盤(仮骨盤)」と「小骨盤(真骨盤)」に明確に区分する。一般に「腰が張っている」「尻が大きい」と視覚的に認識されるのは腸骨翼の外側や皮下脂肪の蓄積に過ぎず、これは大骨盤周辺の輪郭に過ぎない。しかし、胎児が実際に旋回しながら通り抜けるのは、強固な骨格に囲まれた小骨盤の内部空間だ。
外見がどれほどグラマラスで幅広に見えても、内側の骨盤計測値が狭ければ児頭骨盤不適合(CPD)を引き起こすリスクが存在する。逆に、外見が華奢に見える体型であっても、小骨盤の前後径や横径が十分に確保されていれば分娩はスムーズに進む。視覚的な「安産型」というラベルは、内部構造の複雑さを無視した表面的な思い込みに過ぎないのだ。