『ドロップ』シリーズが長年にわたり読者を惹きつけてやまない最大の理由は、物語の根底に流れる生々しい実話のリアリティにあります。主人公の信濃川ヒロシ(品川祐氏)や井口達也氏をはじめ、登場人物の多くには実在のモデルが存在します。
赤城亨のモデルとなった人物は、当時の狛江・調布エリアでその名を知らない者はいなかったとされる伝説的な不良です。暴走族「狂乱」のトップとして数々の武勇伝を残し、後輩たちから恐れられつつも絶大な人望を集めていたカリスマ性が、作中の赤城像へと色濃く反映されています。
また、加藤宏二のモデルとなった人物も実在し、井口達也氏の青年期を語る上で欠かせない無二の親友でした。漫画で見られる「ルパン」の愛称や、飄々とした態度から一転して狂乱状態へと突入する二面性は、実際の人物が放っていた独特のオーラがそのまま投影されたものです。