音羽屋の屋号を背負う尾上菊五郎家は、幾多の代を重ねるごとに演劇史へ新たな章を刻んできた。人間国宝として伝統を守り抜いてきた七代目尾上菊五郎を筆頭に、その血脈は実に多彩な才能を輩出している。
長女の寺島しのぶは、圧倒的な演技力で国内外の映画賞を総なめにする実力派女優として不動の地位を確立。一方で長男の尾上菊之助は、端正な容姿と確かな技術で音羽屋の真骨頂を示すと同時に、新作歌舞伎のプロデュースなど攻めの姿勢を崩さない。さらに寺島しのぶの息子である寺島まほろが若き才能として舞台に立つなど、血縁の広がりは次の世代へと確実に繋がっている。
また、他家との姻戚関係や名門同士の結びつきも音羽屋の歴史を彩る大きな要素だ。市川團十郎家や中村芝翫家といった名門との深いつながりは、演劇界全体の発展を支えてきた強固な礎でもある。継承の重圧と革新の情熱が交差し合うなかで紡がれてきた血縁の真相は、まさに日本のエンターテインメント史そのものと言える。