かつて放送事故といえば、その瞬間を偶然目撃した視聴者の間で語り継がれる「一夜限りの出来事」だった。しかし、TVerによる見逃し配信や、ABEMAに代表されるインターネット主導のリアルタイム生配信が普及した現在、事故の性質は激変した。SNS上では放映直後から事故シーンのショート動画が切り取られ、数時間で数百万回再生される現象が日常茶飯事となっている。
配信プラットフォーム側では、アーカイブ化の際に該当箇所をカットするか、あるいは修正を加えて配信するかの判断を即座に迫られる。一方で、旧ジャニーズ事務所から再編されたSMILE-UP.をはじめとする大手プロダクション側も、所属タレントのパブリックイメージを守るため、デジタル上の拡散に対する監視体制を強化している。メディアのマルチ化が、ハプニングの拡散力と影響力を過去最高レベルにまで高めているのだ。