九州の道の駅を語る上で外せないのが、玄界灘や東シナ海、豊後水道がもたらす極上の海の幸です。なかでも道の駅むなかたの評判を不動のものにしているのは、鐘崎漁港や神湊漁港から毎朝水揚げされる魚介の圧倒的なクオリティです。漁港から施設までの輸送時間はわずか数十分。タイ、ヒラマサ、ヤリイカ、アジなどが、死後硬直前のプリプリとした身質のまま直販コーナーへ並べられます。
現地を訪れると、午前9時の開店と同時に保冷バッグを手にした買い物客が鮮魚コーナーへ雪崩れ込む異様な光景に出くわします。ネット上の口コミでも「宗像の魚を食べたら都市部のスーパーには戻れない」「下処理サービスも手際が良く、丸ごと1匹買っても安心」といった称賛の声が定着しています。館内の食事処「はまゆう」で提供される海鮮丼は、その日の水揚げによってネタが変化するライブ感に満ちており、九州の道の駅海鮮丼ランキングでも常に筆頭格として名前が挙がります。
また、海鮮丼の激戦区として見逃せないのが、鹿児島県錦江湾沿いにある道の駅たるみずです。ここでは特産の養殖「ブリ・カンパチ」を贅沢に使用した漬け丼や刺身定食がツーリング客を虜にしています。引き締まった脂の甘みと地元の甘口醤油が織りなすハーモニーは、他所では味わえない力強い旨味を持っています。九州沿岸部の道の駅は、いまや「漁協直営店を凌駕する海のフードミュージアム」として独自の進化を遂げています。