現存するクマ科の中で「世界最大」の座を争うのは、北極圏に生息するホッキョクグマと、アラスカ州コディアック諸島に固有の亜種であるコディアックヒグマの2種です。長年議論が続くこのライバル関係ですが、体格の測定基準によって軍配の上がり方が異なります。
アラスカ州野生生物当局および国際自然保護連合(IUCN)の観測データによると、ホッキョクグマ 体長は成熟した雄で約2.4〜3.0メートルに達し、平均体重は約400〜600kgを記録します。流線型の長い首と頭骨を持ち、氷海を泳ぎアザラシを狩るために進化したスマートな大型体型が特徴です。
対するコディアックヒグマは、体長こそ約2.0〜2.8メートルとホッキョクグマよりやや短いものの、肩高が四足歩行時で最大1.5メートル、立ち上がると3メートル超に達します。筋肉の塊のような頑強な骨格と分厚い脂肪層を備え、秋のサケ遡上期には雄の世界最大の熊 体重が600kgを優に超え、飼育下では700kg以上に達する例も珍しくありません。
ホッキョクグマ ヒグマ 比較において専門家が一致して指摘するのは、「体長と平均的な骨格の大きさではホッキョクグマ、筋肉量と横幅の重厚感ではコディアックヒグマ」という力学的構造の違いです。純粋な肉食性ゆえに高脂肪なアザラシを主食とするホッキョクグマと、サケや高栄養植物で爆発的に増量するコディアックヒグマは、それぞれの環境が生み出した最高峰の適応形態といえます。