彫り師を目指すにあたり、多くの人が直面する疑問が「絵心がなくてもなれるのか」「何歳までなら挑戦できるのか」という点です。
画力については「絶対的に必須」と言わざるを得ません。近年はiPadのProcreate等を用いたデジタル下絵制作が標準化していますが、デッサン力、陰影の付け方、人体の骨格や筋肉のカーブに合わせたデザイン構成力(構図力)は、基礎画力がなければ破綻します。デザインの持ち込み客であっても、皮膚に転写した際に歪まないよう修正・アレンジを加える技術が求められます。
年齢制限に関しては、法律上の下限は18歳(各自治体の青少年保護育成条例により18歳未満への施術が禁止されているため)ですが、挑戦開始の上限に制限はありません。実際、デザイン業界やイラストレーター、美容業界から20代後半〜30代で転身するケースも珍しくありません。ただし、長時間の前傾姿勢や極限の集中力を要するため、視力と腰・首のフィジカルな耐久力は不可欠です。
なお、プロとしてスタートを切るための道具一式(マシン本体、パワーサプライ、フットスイッチ、ニードルカートリッジ各種、滅菌機材、消耗品・インクなど)の初期導入コストは、最低でも20万〜50万円程度を見積もる必要があります。