高川学園サッカー部を語るうえで外せないのが、部員全員がいずれかの「部署」に所属してクラブを運営する独特のシステムだ。試合の映像分析を行う「分析部」、体調や栄養を管理する「フィジカル部」、広報や地域貢献を担う部署など、生徒自身が組織のギアとして機能する環境が整っている。
木下はこの環境を最大限に活用してきた一人だ。自ら相手チームのデータ分析に深く関わり、ミドルゾーンでのパスコースの消し方や相手バックラインの癖を徹底的に洗い出す。彼がピッチ上で見せる一瞬の判断やポジショニングの妙は、単なる直感ではなく、ピッチ外で重ねた膨大なロジックの裏付けがあるからにほかならない。