あの混乱から2年。2024年夏に発生した深刻な米不足は、日本の米供給システムの脆弱性を白日のもとに晒した。当時は「いつ政府の備蓄米が市場に放出されるのか」という議論が連日メディアを賑わせたが、旧来の運用基準は硬直的であり、タイミングを逃したとの批判が相次いだ。
これを受け、農林水産省は備蓄米の機動的な売却枠を新設。2026年現在、需給ギャップや突発的な物流障害が起きた際、数日単位で市場に供給を補填する「緊急流動枠」が本格運用されている。国家が抱える約100万トンの主食用備蓄米は、単なる静的な備えから、市場の混乱を未然に防ぐための「動的なバッファー」へとその性格を劇的に変えた。