アルコールを飛ばすために長時間加熱すると、「せっかくの酒粕の栄養素が壊れてしまうのではないか」と懸念する声も多く聞かれます。酒粕に含まれる主要成分の熱耐性を整理すると次のようになります。
酒粕の代表的な健康成分である「レジスタントプロテイン(難消化性タンパク質)」や食物繊維、ミネラル類は熱に非常に強いため、10分程度煮沸してもその構造や整腸作用・コレステロール吸着効果は失われません。また、美白成分として知られるコウジ酸やアルブチン、アミノ酸群も加熱によって大きく損なわれることはありません。
一方で、熱に弱いビタミンB群の一部や生きた酵母・酵素活性は、60℃〜70℃を超えると失活します。しかし、加熱によって死滅した酵母や菌体そのものも腸内で善玉菌の格好のエサ(プレバイオティクス)として機能するため、加熱したからといって健康効果が激減するわけではありません。アルコールの不快感を無理に我慢して生に近い状態で食べるよりも、しっかり加熱して胃腸に優しく摂取する方がトータルの健康メリットは大きいと言えます。