中華料理店なのに、メニューを開くとオムライスやカツ丼、カレーライスが当たり前のように並んでいる。海外の食文化専門家も驚嘆するこの雑食性こそ、日本の大衆食文化が誇る真骨頂だ。
戦後、高度経済成長期の日本で「働く人々のあらゆる胃袋を満たす」ために柔軟に変化していった歴史がそこにはある。強い火力と大きな中華鍋、そして秘伝の醤油ダレ。中華の調理設備と技術を応用して作られる洋食や和食は、専門店とは一味違う独特の深みと香ばしさを纏う。この唯一無二のハイブリッド感こそが、時代を超えて人々を虜にし続ける秘密だ。