作品ごとに見せる顔の違いも、大きな魅力だ。人間の哀歓や複雑な愛憎を丁寧に紡ぎ出すヒューマンドラマでは、観客の涙を誘う繊細な演技で心を揺さぶる。一方で、緊迫感あふれるミステリー・サスペンス作品においては、狂気と冷静さが入り交じる陰影豊かな役どころを見事に演じ分けてみせる。
善と悪、光と影の境目を軽やかに行き来する振り幅の広さ。一見すると平穏な日常の陰に潜む歪みや、ギリギリの精神状態に追い詰められた人物の痛みを、一切の嘘なく体現できる点が高く評価されている。ジャンルを選ばないその自在さこそ、映画・ドラマ関係者が今最もキャスティングしたがる理由だ。