「爪にはカルシウム」。この長年信じられてきた言説は、現代の皮膚科学において過去の遺物になりつつある。爪の主成分は骨のようなカルシウムではなく、硬質ケラチンと呼ばれるタンパク質だ。
2026年現在、日本皮膚科学会などの専門家が警鐘を鳴らすのは、慢性的な「局所脱水」と「微小外傷(マイクロトラウマ)」の蓄積である。頻繁なアルコール消毒や過度な手洗い、さらにはスマートフォンのフリック操作による継続的な衝撃。これらが爪甲の水分・脂質バランスを破壊し、内部の細胞間脂質を流出させていた。栄養をいくら摂取しても、保持する基盤が壊れていれば爪は脆くなる一方なのだ。