原作は森永あいによる大ヒットコミック。少女漫画特有の突飛なギャグセンスと緻密な心理描写を、実写というフォーマットへ見事に落とし込んだ手腕は今振り返っても目を見張るものがある。絵に描いたようなセレブ高校に特待生として通う超ド貧乏男子と、彼を真の貴公子と勘違いする同級生たち。この大胆なアンジャッシュ的シチュエーションが、一級の学園コメディとして機能した。
櫻井が演じた御村託也は、原作の持つミステリアスで少し悪戯好きなキャラクター像を完璧にトレースしつつ、実写ならではの血の通った温かみを付加した。太郎の貧乏生活を観察し面白がりながらも、誰よりも彼の家族を思い、陰ながら支える。その絶妙な距離感と眼差しの優しさが、ドラマ版『山田太郎ものがたり (テレビドラマ)』独自の魅力を決定づけた。