A4の正確な寸法は「210mm × 297mm(21.0cm × 29.7cm)」。この数字には極めて厳密な数学的根拠がある。短辺と長辺の比率は「1:√2(約1:1.414)」となっており、日本では古くから寺社建築などにも用いられてきた「白銀比(大和比)」と呼ばれる調和の取れたプロポーションだ。
この比率の最大の利点は、長辺を半分に折っても縦横比が寸分違わず維持される点にある。半分に折ればA5になり、2枚並べればA3になる。面積を半分にしても比率が変わらないため、縮小・拡大コピーを行っても余白の崩れや文字の歪みが生じない。
このシステムを18世紀末に提唱したのがドイツの物理学者ゲオルク・クリストフ・リヒテンベルクであり、それを20世紀初頭に規格体系として完成させたのが数学者ヴァルター・ポルストマンだ。彼の研究をベースにドイツ工業規格(DIN 476)が生まれ、後に国際標準化機構によって「ISO 216」として世界標準へと昇華した。日本でも日本産業規格(JIS P 0138)として完全に組み込まれ、今日における書類のデファクトスタンダードとなっている。