銘菓の背景には、江戸の文化を守り抜いてきた人々の情熱がある。運営を担う株式会社常盤堂雷おこし本舗は、江戸時代末期に浅草寺の門前で創業して以来、「家を治め、名を起こす」という縁起の良さから庶民に広く愛されてきた。その歴史の中で、近代における中興の祖として知られるのが穂刈久米太郎だ。
激動の時代にあっても品質への妥協を許さず、のれんの味を頑なに守り続けた穂刈の信念は、現在の菓子作りにも息づいている。厳選された米や砂糖、水飴の配合比率は門外不出のバランス。ただ甘いだけではない、キレのある後味と心地よい食感の追求こそが、長きにわたり浅草を代表する銘菓として君臨し続ける所以である。