筆職人が明かす寿命3倍の極意!墨残りを根絶する正しい筆洗い

筆職人が明かす寿命3倍の極意!墨残りを根絶する正しい筆洗い

筆職人が明かす寿命3倍の極意!墨残りを根絶する正しい筆洗いにまつわる役立つ知識を分かりやすく発信ます。

日本が世界に誇る筆の名産地において、熊野筆事業協同組合の職人たちは毛の性質に応じた手入れの違いを強調する。すべての筆を同一の力加減で洗うこと自体が、繊細な伝統工芸品の寿命を縮める要因となっている。

弾力のある馬毛やイタチ毛を用いた「剛毛筆」は比較的タフだが、根元に墨が溜まると弾発力が一気に失われる。指の腹でやや強めに根元を押さえ込み、毛のコシを確かめながら芯の墨を完全に絞り出す必要がある。

対照的に、中国産白山羊の毛などを贅沢に使った「羊毛筆」は、極めて繊細だ。水に濡れると繊維が柔らかくなり絡みやすいため、揉み洗いは最小限に抑え、流水の中で揺らすようにして洗わなければならない。毛先が擦り切れるのを防ぐため、水分を拭き取る際も決して擦らず、布で吸い込ませる繊細さが求められる。

初心者から玄人まで広く使われる「兼毫筆(硬い毛と柔らかい毛の混毛)」は、中心の芯毛と外側の化粧毛で吸水スピードが異なる。外側だけが乾いて内側が湿ったままになりやすいため、乾燥工程には通常の倍の時間をかける意識が欠かせない。

木村 陽翔
著者

木村 陽翔

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。