松野チョロ松は、イメージカラーを「緑」とし、六つ子の中で唯一アホ毛がなく、常に整った身だしなみを意識しているキャラクターです。公式設定資料集やインタビューによると、彼の立ち位置は「六つ子のツッコミ役」であり、暴走する兄弟たちを社会常識の枠組みに引き戻そうとするストッパーとして設計されました。
しかし、物語が進むにつれて露呈したのは、その常識人ぶりが「他者より優位に立ちたい」という見栄の産物に過ぎないという冷酷な事実でした。地下アイドル「橋本にゃー」の熱狂的な追っかけであり、握手会では周囲が引くほどの奇声を上げ、グッズ収集に親の脛をかじった金を惜しみなく注ぎ込みます。さらに第13話「事故?」で描かれた、リビングで自慰行為におよぼうとした瞬間をおそ松に目撃される事件は決定的でした。長男から命名された不名誉極まりない蔑称「シコ松」は、彼の気取ったプライドを根底から粉砕し、ネット上のファンコミュニティを震撼させました。
「自分だけは他のクズ兄弟とは違う」「いつか社会復帰できる」と思い込んでいる点において、ある意味では開き直って無職を謳歌する他の兄弟よりもタチが悪い――この痛烈な二面性こそが、チョロ松というキャラクターの根幹を成す公式のリアリズムです。