ヨーロッパの横縞文化とは対照的に、南米ペルーでは「縦縞」の赤白赤が主権の象徴として誇り高く掲げられています。1825年にシモン・ボリバル統帥の主導下で制式化されたペルー国旗の縦縞デザインには、過酷な独立戦争を指揮した解放者ホセ・デ・サン・マルティン将軍の詩的なエピソードが色濃く反映されています。
1820年9月、ペルー解放軍を率いてピスコの海岸に上陸したサン・マルティン将軍は、休憩中に海岸から飛び立つ鳥の群れを目撃しました。その鳥は、翼が燃えるような鮮紅色で、胸から胴体にかけてが眩しい純白に覆われたフラミンゴの一種「パリワナ(Parihuana)」でした。将軍はこの優美で力強い姿に神の啓示を感じ、「自由の軍隊の色は赤と白であるべきだ」と宣言したと伝えられています。
歴史的な検証において、このフラミンゴ伝説とともに有力視されているのが、革命軍の実利的な政治的判断です。解放軍の中核を担ったチリ軍の象徴色である「赤」と、サン・マルティンの母国であるアルゼンチン軍の象徴色である「白」を融合させ、同盟の強固な結束を示したという見解です。当初は斜めに赤と白を交差させた意匠でしたが、製作の容易さと遠方からの視認性を考慮し、1825年に現在の垂直三等分デザインへと確定しました。
ペルー国旗を鑑賞する際の重要なポイントとして、「民間旗(Bandera Nacional)」と「公用・軍用旗(Pabellón Nacional)」の差異が挙げられます。街頭や一般家庭で掲げられる民間旗はシンプルな赤白赤のストライプのみですが、官公庁や軍隊が掲揚する公用旗には、中央の白い帯に「国章(ビクーニャ、キナの木、角から溢れる金貨を描いた盾)」が厳格に配されます。