購入後に多くの人が陥りがちな最大の過ちが、「生魚を使っているから痛まないように」と冷蔵庫のチルド室に入れてしまう行為です。これは職人が最も避けてほしいと訴える保存ミスです。
ご飯に含まれるデンプンは、水分が保たれた状態で冷やされる(特に0度〜5度前後の環境)と、急速に水分を失って固くなる「デンプンの老化(β化)」を起こします。冷え切った酢飯はボロボロと白く硬くなり、口の中でパラパラと崩れて風味を失ってしまうのです。これこそが柿の葉寿司常温保存の理由です。
一般的な柿の葉寿司賞味期限と日持ちは、製造日を含めて約3日間(夏場は2日間)と設定されています。柿の葉に含まれる渋み成分タンニンと、寿司飯の酢、塩で締めた魚の三位一体となった防腐ネットワークにより、直射日光を避けた20度前後の冷暗所であれば常温で問題なく保たれます。むしろ、作られた当日よりも、翌日から翌々日にかけて魚の脂と塩気が酢飯へ浸透し、角が取れてまろやかになる「熟成のピーク」を迎えます。